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PCのメモリ増設方法|メモリの基礎知識も合わせて解説

メモリ不足はPCの処理速度を低下させます。PCの動作が重い、なかなか起動しないと感じたら、メモリを増設することで解決するかもしれません。とくに「たくさんのアプリケーションを立ち上げることが多い」「画像や動画を作成する」「ゲームをする」という方にとってメモリの容量は重要になってきます。

そこで今回は、メモリの役割や増設する効果といった基礎知識とともに、ノートPCやデスクトップPCのメモリを増設する方法を紹介していきます。メモリの増設は比較的簡単にできますので、ぜひ参考にしてみてください。

メモリの基礎知識 動作を軽くするのはメモリの役割?

メモリの役割はいわば作業台のようなものです。

アプリケーションを動かすためにはたくさんのデータを処理しなければいけません。その役割を担っているのはPCの頭脳ともいえるCPUですが、CPUが処理するとき、読み込んだデータをいったんメモリ上に置きます。

この状況は人が机の上に資料を広げたり、筆記用具を広げたりする様に似ています。狭い作業台でたくさんの資料を広げようとしても置くところがなく、作業効率が下がります。

メモリも同じで、容量が小さければ処理すべきデータが順番待ちのような状態になり、処理速度が遅くなってしまいます。

メモリを増設すればデータを置くスペースが増えるため、処理がスムーズになるのです。

PCの処理速度の問題は、メモリだけに起因するわけではありませんが、メモリの増設は、快適な動作環境の維持におおいに役立つのです。

処理速度の問題はHDDが原因になっていることもあります。アプリケーションの立ち上がりが遅い、PCから異音がする場合はHDDの状態も確認してみましょう。

HDDの交換を考えるなら、以下の記事で詳しくご紹介しています。
【初心者必見】パソコンHDD(ハードディスク)の交換手順と注意点

PCのメモリは複数枚のほうがいいって本当?

例えばWindows10の場合、4GBあれば動かすことはできますが、8GB以上あったほうが快適に処理できると考えられています。

容量が大きければそれだけ処理速度は上がります。

理論上は、大容量1枚にするより小容量のメモリを複数枚設置したほうが転送速度は上がるといわれています。例えは16GBのメモリを1つ設置するのではなく、8GBのメモリを2つ設置するわけです。

これは小さな作業台がたくさんある状態に似ていて、複数のメモリで作業するため効率がいいというわけです。

2枚設置する場合は、同じ容量のメモリを用意します。新に購入する場合は2つ一組になったものを選ぶようにしましょう。

メモリはいくらでも増設できる?

増設できるメモリの容量はOSや、マザーボード上のチップセットにより最大値が決まっています。どちらか小さいほうがそのPCの最大値です。そのため、いくらでも増設できるわけではありません。

例えばWindowsには32bitと64bitの仕様がありますが、32bitなら4GB、64bitならそれ以上でも認識してくれます。

取扱説明書があればそれを確認しましょう。なければ以下のようなサイトで調べることもできます。

http://www.green-house-link.com/

増設メモリはどんなものを買えばいい?

メモリチップがついている基板はモジュールと呼ばれるものですが、ノートPCのモジュールはDIMM型、デスクトップPCのモジュールはSO-DIMM型が採用されています。この型を見ればノートPC用かデスクトップPC用かわかるわけです。

ちなみに、ディスプレイ一体型PCにはSO-DIMM型が採用されています。

メモリにはDDR3 SDRAM、DDR4 SDRAMなどの規格があり、数字が大きくなるほど転送速度が早くなります。これらの規格はさらにチップ規格とモジュール規格という規格に分かれています。この2つは対になっているので、どちらか一方がわかればもう一方の規格もわかります。

PCの仕様書などで、これらの規格を確認し増設するメモリを選ぶようにしてください。メーカーはどこのものでも基本的には問題ありません。PCの仕様書がない場合は、一度メモリを取り出して直接確認してもよいでしょう。

PCのメモリ増設の前に確認しておくこと

まずは現在のPCにどれだけのメモリが搭載されているか確認しておきましょう。

Windows10の場合、左下のスタートボタン(Windowsアイコン)をクリックし歯車アイコンをクリックしてWindowsの設定を開きます。

設定からシステムを開き、一番下にある詳細情報へと進みましょう。「実装RAM」に記載されているのが、現在のメモリの容量です。最大メモリより少なければ増設可能です。

また、増設前には自分でPCを分解できるかも確認しておきましょう。

デスクトップPCの場合はビス留めされているカバーを外せば中の状態を確認できます。ノートPCの場合は大抵底面のカバーを外すことになりますが、すぐに重要な部分が露出するため、丁寧に作業を行う必要があります。

この時点で、自分では難しいと感じたなら、無理をせず専門店に依頼しましょう。

※PCのカバーを開ける際は、必ず電源を落とし、全てのケーブルを外してしばらく置いてから行ってください。ノートPCの場合、外せそうであればバッテリーも外してから行いましょう。

メモリを増設する際に用意しておくもの

メモリを増設する際に用意しておくものは以下のとおりです。

  • 増設するメモリ
  • ドライバー
  • 静電気防止用手袋
  • 取扱説明書(なければメーカーサイトからダウンロードしておくことをおすすめします)

ドライバーは自身のPCのビスにあった大きさのものを用意しておきましょう。

静電気はPCの大敵といわれていて、マザーボードに触れたタイミングで静電気が起きると、そのまま壊れてしまうこともあります。あまり神経質になる必要はありませんが、できれば静電気防止用の手袋をつけて作業することをおすすめします。

<h2>PCのメモリを増設する手順</h2>

メモリを増設する方法をノートPC、デスクトップPCそれぞれで解説していきます。

ノートPCの場合

ノートPCの場合、裏側の一部分を開ければメモリの取り外しができるタイプもありますが、そうでなければ裏側のノートPC本体のカバーを外します。メモリスロットの空きの部分に、増設用のメモリを斜めから差し入れセットします。

これでセットは完了です。

カバーとバッテリーを元に戻しましょう。

デスクトップPCの場合

本体のカバーを開けたら、基板を確認しましょう。メモリの空きスロットルのアームを倒し,垂直にメモリをいれます。きちんと差し込まれていることを確認したら、カバーを閉めましょう。

増設したメモリの確認

先述したメモリの確認方法と同じく、Windowsの設定から「実装RAM」を確認します。メモリの数値が増えていれば問題なくメモリが増設されています。PCが上手く立ち上がらないなど、メモリの設置に問題があるようなら差し込みからやり直してみてください。

まとめ

メモリを増設すれば、PCの処理速度が向上します。

増設は比較的簡単にできますが、最大でどれくらいまで増設可能か、規格はどれを選べばいいかなど、事前の確認や準備も必要です。

規格がよくわからない、自分でカバーを開けて増設するのは心配というときは無理をせず、プロに依頼することも検討してみましょう。

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