パソコンの時計が少しズレているけれど、修正するのが面倒でそのまま放置しているという方も多いのではないでしょうか?
しかし、パソコン内の時計がズレたままにしていると、メールが送れなくなっていたり、サイトへ接続ができなくなったりと、さまざまなパソコントラブルを引き起こす原因にもなりますので、パソコンの時計は常に正しく合わせておきたいものです。
そこで、今回はWindowsのパソコンに内蔵されている時計がズレてしまう原因やパソコンに及ぼす影響と時刻を正確に合わせる方法について解説します。
パソコンに内蔵されている2種類の時計について
パソコン内には時計と電池が内蔵されており、CPUなどを制御しているマザーボード内にある「BIOS(バイオス)」というプログラムによって時計の管理を行なっています。さらに、パソコン内部の時計には「ハードウェアクロック」と「システムクロック」の2種類の時計があます。
システムクロックはOSにより管理されており、インターネットを通して常に時計を日本標準時刻へ自動的に合わせる同期機能が備わっています。
一方、ハードウェアクロックは、ハードウェアの上に実装された時計であり、OSが起動するときにはハードウェアロックを参照します。
それでもパソコン内の時計がズレる原因は?
パソコンには通常、2種類の時計を内蔵していますが、ハードウェアの時間に対する正確性は高いものではないため、ソフトウェアの動作によっては、時計の精度が低下してしまうこととなります。
ここでは、時計がズレてしまう主な原因について見てみましょう。
NTP(時刻配信)のタイムゾーンが異なる
Microsoftが運営するNTP(Network Time Protocol)と呼ばれる時刻設定のためのプロトコルであり、ネットワークを介して常に正確な時間を保つことができます。NTPでは、より正確な時刻を保持するために、15階層構造の時刻調整や複数台のサーバーを参照することで、時刻の正確さを保つ工夫がなされています。
しかし、出張や旅行で別の地に訪れた際に、異なるタイムゾーンを選択し、そのままになっているとパソコン内の時間がズレてしまう原因となります。
CMOS電池切れ
パソコン内の時計は、BIOUSの設定を行うための「CMOS電池」が使われています。
CMOS電池は、マザーボード内にあります。CMOS電池が切れても、パソコンの電源が切れることはありませんが、時計の管理を行なっているBIOUSの設定が初期化されてしまうため、内蔵の時計がズレてしまうこととなります。
最後に電源を切った時から、時刻が変わっていない場合は、電池切れが原因の可能性が高いです。内蔵の電池を交換する必要がありますので、メーカーやパソコン修理業者へ依頼しましょう。
マザーボード内の不具合
タイムゾーンが異なっておらず、CMOS電池にも問題がない場合には、マザーボードが故障している可能性があります。
内蔵の時計はマザーボード内で管理されているため、マザーボード本体に不具合があると時計はズレてしまいます。
時計をズレたままにしておくとどうなる?
パソコン内の時刻をズレたままにしていることでさまざまな問題を引き起す可能性がります。
メールが迷惑メールに振り分けられる
パソコンのメールは、パソコン内の時計をタイムスタンプとしているため、パソコン内の時計が大幅にズレてしまうと、送受信のサーバーにエラーが起こると、メールボックスにメールが届かず、迷惑メールに振り分けられてしまうことがあります。
サイト接続ができなくなる
インターネットを暗証化し、安全に読み取るために導入されているのがSSLです。
サイト接続の際に、SSLを介してwebページを表示することがありますが、SSLには有効期限があるため、時計がズレているとサーバーを証明するための証明書が上手く検知されず、インターネットエラーを起こしてしまうことがあります。
Windowsアップデートが正しく行われない
Windowsのアップデートやソフトの更新時にもSSLが使用されているため、正しいアップデートができない可能性があります。
アップデートの際、一時的に手動で日時を合わせることで解消されますが、毎回手動で時間設定を行うのは大変なので、定期的なアップデートができるように時刻の自動同期を設定することがおすすめです。
パソコン内部のさまざまな時計設定の方法
パソコンの時計を合わせる簡単な方法は、右下の「時計」から時刻に関する設定を行う方法です。設定画面からは、自動的もしくは手動的に時刻を合わせる、タイムゾーンを選択する、といった設定が可能です。
タスクバーからの時計設定方法
- タスクバー「時計」をクリック
- 表示されたバーの中から「日付と時刻の調整」をクリック
- 時刻と言語の中から「日付と時刻」を選択し設定画面を表示
設定画面が開いたら、手動で合わせる方法と自動的に時刻を合わせる方法がありますので、どちらかを選択し、時計を正しい時間に合わせることができます。
スタートボタンからの時間設定方法
- スタートから「Windowsシステムツール」を選択
- 「コントロールパネル」をクリック
- さらに「時計と地域」を選択
- 「日付と時刻」にあるタブ「インターネット時刻」から設定の変更をクリックします
- 「インターネット時刻設定」が表示
- 「インターネット時刻サーバーと同期する」にチェックを入れます
- 「サーバー」のボックスで任意のサーバーを選択し、「今すぐ更新」をクリック
- 最後に「OK」を押して設定完了です
手動で時間設定を行う方法
今の時刻を手動で合わせたいという場合に有効な方法です。
先ほど開いた「日付と時刻」から「日付と時刻を手動で調整する」を選択します。現在の日付と時刻を入れれば完了です。
自動的に時間設定を行う方法
インターネットサーバーを通して時刻を自動的に調整する方法です。
「日付と時刻」の中にある「時刻を自動的に設定する」をオンにする。これだけで、インターネットに繋がった際、自動的に調整されるようになります。
タイムゾーンを変更する
世界にはさまざまなタイムゾーンがあります。このタイムゾーンが何らかの原因により、「日本標準時間」でなくなっていることが原因で時間がずれていることがあります。タイムソーンを正しく合わせる方法はこちら。
- スタートボタンから「設定」を選択
- 「時刻と言語」を選択
- 「タイムゾーン」のボックス内に表示されている地域が「(UTC+9:00)大阪、札幌、東京」となっているかを確認します。
異なる地域を選択している場合は「日本標準時間」を選択することでパソコン内の時計のズレを修正することができます。
コマンドを使った時間設定方法
パソコンのコマンドを使って時間設定することもできます。(例えば、2022年1月1日12時30分に合わせたい場合)
- 「スタート」ボタンを右クリック
- 「Windows PowerShell(管理者)」をクリック
- 「ユーザーアカウント制御」の表示で「はい」を選択
- cmdと入力後、Enterキーを押す
- date2022-1-1(任意の日付)を設定してEnter キー
- time 12:30:00(任意の時間)を設定してEnter キー
まとめ
パソコン内の時計がズレる原因とその対処方法について解説しました。
パソコンに内蔵されている時計や電池の精度はそこまで高いわけではないので、たまに時計を合わせてあげることが必要です。
パソコンの時計を合わせる際には、ぜひ本記事を参考にしてみてくださいね